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事業再生の現場では(26)「経営改善計画(16)」

9.資金繰り表

■事業再生に追い込まれた会社ですから、当然資金繰りが厳しい状態に

 あることが通例であり、ある意味金融機関が最も、関心を寄せるのが、

 資金繰り表である、と言えます。

■資金繰り表は最低、前期実績と今期予測を経営改善計画に添付します。

 資金繰り表の精度については、その企業によりかなりバラつきがあります。

 当該社が下請け製造業であれば、支払い・回収サイトは一定しますので、

 変動要因は、受注高くらいで済みます。

 他方、売上高が需要動向や季節により大きく変動する業態の場合は、資

 金繰り予測も難しいものになります。

 一つの対処法は、通常ケースとリスク顕在化ケースの2種類を作って、実

 績がその範囲内に収まるように運営していくことですが、何年かの経験が

 求められるところです。

■以上申し上げたのは、特段の再生施策を施さない、成り行き数値の固め

 方です。

 本件は再生事案ですから、成り行き数値に、改善効果を織り込んでいく

 必要があります。特に、不採算取引の解消による損益改善を図ろうとする

 場合は、まず売上回収の減少が発生し、その後コスト削減が付いてくる

 プロセスを辿りますので、その間、資金繰りが続くのか、慎重な検討が必

 要になります。

■最近では地域金融機関でも、リスケ中の企業に対する融資に少しずつ取

 り組み始めていますが、改善効果が目に見えて現れてくるまでは、融資を

 期待することはできません。

 綱渡り期間をどう乗り切るか、取引先の協力や換金可能資産がないかどう

 か、など、改めてあらゆる手立てを検討しなければなりません。

                                            以上