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事業再生の現場では(8)「資金繰り」

事業再生を語るにあたり、前回までは、組織や社員のモチベーションなど、最も

大切な「ヒト」に関することをとりあげてきました。

今回からは、「モノ、カネ」の話に移りたいと思いますが、特に再生を迫られてい

る企業にとって、必ず押さえておかなければならないのが、「カネ」のことです。

 

よく言われることですが、企業は黒字でも、おカネに詰まったらアウトですし、

逆に赤字でも資金繰りが回っている間は、倒産しません。

 

ではそのおカネの動きをどう掴むのか。

(このコラムでは、エクセルシートも使えず、ただ文章だけで説明していくので、

 分かりにくい点はご容赦ください)

(答え)資金繰りを掴むのだから、「資金繰り表」を作ります。

⇒このような回答になりそうですが、私の答えは違います。

私の場合は、資金繰り表の前に、「資金運用表」を作ります。

その理由は、上述のとおり、損益と資金の動きとは必ずしも一致しないという

とと、では企業活動の何でおカネが増え、何でおカネが減っているのかを、

まず理解する必要があるからです。

資金運用表を作ってみれば、利益計上や減価償却費、売掛金の回収や在庫

の圧縮により、おカネが増えるのが分かります。

設備投資をしたり、買掛金を支払ったりすれば、おカネは減少します。

資金運用表は、2期間の貸借対照表(B/S)の各資産・負債勘定を比べて

減を出します。

また、P/Lから最終利益と減価償却費の額を引っ張ってきて、利益から生み

出させたおカネの額を把握します。

この結果、一定期間(例えば1年)において、おカネをどう調達し、どう運用した

か(使ったか)が分かります。

 

資金繰り表に行く前に、資金運用表でこのおカネの性質を、感覚的に掴むこ

とが大切だと思っています。

                                             以上