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M&Aプロセス(26)「取引形態(合併2)」

今回は、「対等合併と吸収合併」について、ご説明します。

 

一般的な捉え方では、「吸収合併」の場合は、吸収される方は、救済された感があり、

合併後、肩身の狭い思いをしなければならない、とのイメージがあります。従って、

あくまでも「対等合併」であることに拘りたくなります。

一方で、M&Aの実務の世界では、法的な手続き方法としては、「吸収合併」と「新設

合併」しかありません。合併当事会社のすべてを解散して合併により新会社を設立す

るのを「新設合併」、一社を存続させ、他の会社の資産・負債を統合した上で、その会

社は消滅させるのを「吸収合併」と言います。実務上は手続きの簡便さから、ほとんど

のケースで吸収合併の形態がとられるので、仮に精神的には対等であったとしても、

形の上では吸収合併となります。

 

もう一つ、両者の関係を表すものとして、「合併比率」があります。

合併比率とは、存続会社株式と消滅会社株式の相対的な株価の割合のことを言い、

消滅会社株式一株に、存続会社株式を何株割り当てるか、で表現されます。

合併比率を決めるためには、双方の会社の企業価値を算定し、それに基づき一株当

たりの交換比率を求める訳ですから、間違っても恣意的に1:1などとはなりません。

勿論、企業価値の異なる2社で、一株当たり株価が同じになるよう、株式分割を行い

調整した後に、1:1だ、対等だ、とやることは理論的には可能でしょうが、余り意味の

あることとは思えません。

対等を目指すなら、役員構成や業務規定、使用システムなど、実質的なところで配慮

すべきです。

但し、対等を意識しすぎて、いつまでもたすき掛け人事を続けたり、旧両社のシステム

を併存させたりすると、真の統合が進みません。

これまでのケースを見る限り、この点は、断言できます。

従って、双方の社員等関係者の心情をある程度は慮る必要があるものの、合併効果

の発揮を何よりも優先する経営者のリーダーシップが、成否を握ります。 

                                                 以上