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M&Aプロセス(19)「取引形態(株式譲渡3)」

株式譲渡取引の説明を続けます。

 

3.株式譲渡取引のメリット・デメリット

  M&A取引の中で株式譲渡と対比されるのは事業譲渡です。本稿でも、事業譲渡

  との比較で説明を行います。

 (1)メリット

    ・移動対象物件に関する手続きは突き詰めれば、(前回説明した流れでの)株式

     の譲渡のみですから、シンプルです。

     事業譲渡の場合は(詳細は後日)、移動対象となる資産・負債の名義を一つず

     つ変えて行かなければなりません。各種許認可や取引先との契約も同様であ

     り、かなり手続きは煩雑なものとなります。

    ・また株式の譲渡により株主総会での議決権を獲得し、経営権が移転すること

     で、一義的には目標を達成します。社名を変更したり、社内規定を変更したり

     といったことは、とりあえず必要ありません。

 (2)デメリット

     ・株式の譲渡により会社そのものが移転する訳ですから、資産・負債ともに必

      要なものも不要なものも一括して引き継ぐことになります。

      遊休の不動産やその購入のための借入など、事業シナジーに関係ないもの

      までを引き継ぐことになりますが、この点は交渉で、M&Aの実行前に不要な

      資産は、例えば売り手オーナーが事前に買い取るようにすることもあります。

     ・もっと嫌なのが、簿外債務などのリスクを引き継いでしまう恐れがあることで

      す。業績不振企業の場合などで、簿外リスクをどうしても回避したい場合は、

      事業譲渡を選択することになります。

     ・また税務上の問題としては、のれんの償却が出来ないことがあげられます。

                                                 以 上