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M&Aプロセス(15)「営業権その3」

M&Aの現場における「営業権」についての議論を進めますが、今回は私見が多く入

った話です。

 

前2回において、「一般企業を上回る収益(超過収益)を稼ぎ出す力が営業権であり、

これは、人材やブランドなど、その企業固有の『知的資産』を源泉とする」と説明を

ました。

では逆に、業績不振企業や赤字企業は、どう位置付ければよいのでしょうか。

赤字企業などの場合は、本来備わっていなければならない知的資産が毀損してい

る、環境変化に対応できていない、といった事態が考えられます。

知的資産が毀損してしまっている状態をあえて表現すると、「マイナスの営業権が

発生している」と言えましょう。この場合のM&Aの売買価格は、「時価純資産から

営業権をマイナスする」のが、一つの考え方になります。

 

ところで、マイナスの営業権が生じている状態について、もう少し具体的に例を挙

げると、

 ・不良品や不祥事の発生による、ブランドイメージの低下

 ・優秀な人材の流出、社内に停滞感が蔓延

 ・新商品開発を怠り、他社との差異が消滅

 ・顧客満足度、期待感の遺失

などの事象が起こっています。

残念なのは、かつては知的資産として認められていた強みが、逆に弱みになって

しまっていることです。

このような企業をM&Aで譲渡するのは大きな困難が伴うのですが、経営体制を

刷新することで、従来の輝きを取り戻せる(つまり、知的資産を甦らせる)ならば、

大きな意義があると思います。

                                              以上