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M&Aプロセス(14)「営業権その2」

「営業権」について、続けます。

 

前回、金額換算の難しい「知的資産」が営業権の源泉である、と申し上げました。

ではこの現実を踏まえ、M&Aの現場でどのように営業権を取り扱っているか。

一つの考え方は、企業が自社独自の「知的資産」を活用して、他の一般企業

上回る収益(超過収益)を稼ぎだす力が営業権である、ということです。

 

M&Aの買い手企業にとっては、この営業権の獲得がM&A実行の大きな目的

であり、営業権をどう定量評価するかが問題になりますが、客観的な評価指標は

なく、個々のケースにおいて、買い手側がM&A実施後のシナジー効果を想定し、

定量化することで主観的に評価しています。

(例えば、売り手企業の販路を活用することで、10%の売り上げ増が見込める、

管理部門の統合により10人分の人件費が削減できる、など)

 

ちなみに、法人税法では、営業権(のれん)を有償買い入れした場合のみ、その

資産計上を認めています。即ち、支払われた事業譲渡等の対価が、純資産を超

えた場合に、その超過額を営業権の取得価額とみなす訳です。

 

企業の有する知的資産の価値を個々に評価し、その積み上げたものを営業権と

して金銭的価値を認識することは、現実にはほぼ不可能です。しかしながら、M&A

の交渉を進めるに当たっては、売り手・買い手双方が何らかの共通の尺度を持つ

必要があります。

そこで、「営業権は超過収益の源泉である」ことに着目し、売り手企業の総資産x

(例えば)5%を超える利益を出しているならば、その分を超過収益とし、その3

〜5年分を営業権とみなして、時価純資産額に上乗せするようなことが行われます。

                                                以上