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M&Aプロセス(12)「売買価格その8」

「P/Lアプローチ」も大詰めが近づいてきました。

 

前回からの続きです。

『企業価値 =EBITDA(償却前営業利益) x 倍率』の計算式の、「倍率」をどう考える

か。

この「倍率」の意味するところは、現在当該企業が生み出しているキャッシュフローの金

額を、今後何年くらい期待できるかということになります。

結論を先に言えば、中小企業金融の世界では、7年を許容範囲とし、5年ならば比較的

固い、逆に10年になるとそれを許容するためのかなりの根拠が必要、というイメージで

す。

前回ご紹介したように、類似の上場企業の場合では何倍なのか、を参考にしたり、当該

企業の過去の業績推移を検証して、業績は安定的なのか、上下変動が激しいのか、ま

たその属する業種の今後の見通しはどうか、といったことを勘案して、倍率を決めてい

きます。

随分アバウトな印象を受けられるかも知れませんが、DCF法で割引率をエイヤっと決め

るよりは、ブレは小さいと思います。

 

このコラムの第5回から、M&A実施時の売買価格の考え方について、ご説明してきま

したが、このあたりでまとめたいと思います。

 

中小企業のM&Aの場合、基本は、時価純資産をベースに企業価値評価を行います。

但し、純資産の金額と現状の収益力に乖離がある場合は、収益力からの評価も同時

に行います。代表的な指標としてEBITDAを用い、その5〜7倍程度が評価額となり

ます。

この両者の価額を基準に、交渉を進めていくことになります。

 

ところで、企業評価額(株式譲渡価額)>時価純資産額の場合、その差額を営業権と

いったり、のれん代といったりします。

M&Aにおいて、この「営業権」という概念はとても重要なものであり、次回以降、営業

権について議論を進めていきたいと思います。

                                                 以 上