コラム/Column

HOME > コラム > M&Aプロセス(11)「売買価格その7」

M&Aプロセス(11)「売買価格その7」

「P/Lアプローチ」の続きです。

 

「企業価値=収益指標 x 倍率」という計算式の収益指標として、M&Aの世界

では、『EBITDA』という指標が良く使われます。

Earnings Before Interest Taxes Depreciation and Amortizationの

略でありまして、金利・税金支払い前、減却償却実施前利益と訳せます。

つまりは、償却前営業利益(営業利益+減価償却費)のことですから、この数字

をP/Lから引っ張ってくるのは難しくありません。

EBITDAが意味するところは、金利支払い前の営業利益段階の数字を使うこと

で、その企業の本来収益にスポットを当てようとしていることです(営業外損益や

特別損益を排除します)。さらに、減価償却費を排除することで、簡易的ではあり

ますが、キャッシュフローに近づこうとしています。

買い手とすれば、M&A対象企業が1年間でどれだけの現金を生み出してくれる

のか、投資がその何年分で回収できるのかを考える訳です。

 

次に論点となるのが、この「何年分」とするか、です(上表では、『倍率』です)。

一つのアプローチ方法は、上場企業の例を探ってみることです(できるだけ事業

内容の近い、複数の上場企業の平均を取る作業が必要です)。

ちなみに、トヨタ自動車を計算してみると、7.3倍になりました。

(時価総額 10.4兆円 営業利益3,556億円 減価償却費10,678億円)

 

勿論、トヨタ自動車のような超大企業の指標を、一中小企業に単純に当てはめ

ることには違和感を覚えます。

 

次回も、この議論を続けます。

                                             以 上