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M&Aプロセス(7)「売買価格その3」

今回もM&Aの際の売買価格の考え方を続けます。

 

B/Sアプローチの場合の時価評価について、もう少し例を上げましょう。

この事例では、棚卸資産の評価が問題となりました。評価を行う場合は、個々の

品番ごとに、過去3年程度の入・出庫金額と、期末在庫高を一覧表にします。そ

こから、滞留状況を推計し、その結果により、評価減を行います(例えば、過去3

年の出庫比率が10%未満のものは評価ゼロ、50%未満のものは70%の評価

減、というように)。

これらを集計し、棚卸資産の時価評価を行いますが、買い手の理屈がそのまま

売り手に通用することは勿論ありません。

極力、議論の余地のない理屈を並べ、最低でもここまでは下げる、という目安を

持って交渉することになります。

 

一方で、負債勘定が問題になる場合もあります。

簿外で借金があることが判明した場合は、その分負債を増やし、純資産額を

らなければなりません(と言うよりも、簿外債務を隠していた会社は、そもそも

M&Aの対象からは外れる場合が多いでしょう)。

そのような悪質な例ではなく、確認が必要なのは、例えば退職給付引当金です。

税務会計の中小企業の決算書では、退職給付引当金が計上されていないこと

が多いものですが、いざ退職が発生した場合には、負担が発生します。従って

この分もあらかじめ負債に上乗せして、純資産額を算定するのです。

                                             以 上