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M&Aプロセス(6)「売買価格その2」

前回、M&Aを行う際の株価の決め方には、P/LアプローチとB/Sアプローチが

あることをご紹介しました。

まずは、B/Sアプローチについて、説明を加えていきたいと思います。

 

仮に総資産が10億円、負債が6億円の会社があるとすると、差し引きでこの会社の

純資産は4億円ですので、この4億円を基準にして、株式価格を算定します(この会

社の発行済み株式数が1万株ならば、一株4万円、となる訳です)。

このように、この方法の考え方はシンプルであり、分かりやすいものです。

但し、注意も必要です。売り手から提出された決算書の数字をそのまま鵜呑みにす

ることはできません。資産・負債勘定をチェックし、実態の価値と乖離している勘定が

あれば、時価に引き直す作業が必要になります。

 

最近の事例です。総資産5億円、負債が3億円の売却対象会社がありました。この

ままだと株式売買価格は2億円です。しかしながら、この会社は売掛債権が月商の

4ヶ月分もあり、随分多いな、と感じていました。

買収監査(デューデリジェンス・・・後日ご説明します)の結果、不良債権が70百万円

もあることが判明。この場合、総資産の時価(実質の価値)は4.3億円であり、売買

価格は1.3億円に下方修正されました。

この例でも、その売掛債権が不良か否か、言い換えると、現金化される可能性はどう

かというのは、議論の余地はあります。従ってそこには交渉が必要です。

しかしながらそれでも、他の株式評価方法と比べると、B/Sアプローチは断然シンプ

ルと言えると思います。

                                                  以上