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M&Aプロセス(1) 「売り手のきっかけ」

最近では「M&A」という言葉も、随分と一般的になってきました。

先日も、町工場のおやっさんから、「小西さん、何かいい売り情報無いか」と声を掛けられた

ほどです。

しかしながら、「会社を売り買いすること」を知識として知っているのと、現実のアクションとし

てM&Aに取り組むこととの間には、勿論大きな差があります。

 

では、その差を飛び越える『きっかけ』とは、どんなことでしょう?

 

これは従業員20名ほどの印刷会社の事例です。

その社長さんには後継ぎがいませんでしたが、自分はまだ60歳になったばかり、「まだまだ

引退するには早い」と毎日頑張っておられました。

最初の出来事は、優良取引先の一社との取引が解消になってしまったことです。

この事態を受けて危機感を覚えた社長さんは、ますます頑張りました。「社員、並びにその

家族の生活は、自分の双肩に掛かっている」。 悲壮感すら漂う状況でした。

そんな中です。決定的な出来事が起こりました。二人三脚で歩んできた奥様が、病に倒れ

てしまったのです。

奥様の看病に当たりながら、この社長は考え方を改めました。

「会社は永続性を求められる。だけど人の一生は永遠ではない。

また事業は常に環境の変化に対応して行かなければならないが、果たして自分にはまだ

成長する力が残っているだろうか? 優良取引先との取引解消も、自分が環境変化に対

応できなくなってしまったからではなかったのか」と。

 

このような経験を経て、この社長さんは会社の経営を第三者に委ねることで、会社および

社員の雇用を守ることを決断されました。

現在、M&Aの手続きが整斉と進められています。

事業の承継後もしばらくは、顧問として後継者のバックアップに携わる予定です。

それも一段落したら、奥様とタイに渡る計画をお持ちです。

 

以上